個人民事再生とは
第一、通常の個人民事再生
個人民事再生は、以下のように、債務金額が少なくなります。

つまり、
- 0から100万円までは、同じ金額を標準3年間で支払って行く
- 100万円から500万円までは、100万円を標準3年間で支払って行く
- 500万円から1500万円までは、2割を標準3年間で支払って行く
- 1500万円から3000万円までは、300万円を標準3年間で支払って行く
- 3000万円から5000万円までは、1割を標準3年間で支払って行く
ということになります。上記は最低額ですが、それで、通常裁判所は認めてくれます。
そして、特別の事情がある時、例えば住宅ローンを支払うような時やその他の時は、4年間、5年間の弁済を裁判所は認めてくれます。
このように、一番多い100万円から500万円の借金を負っている人は、通常3年間で100万円を払って残りは免除になります。
債権者に3年間にどのように一般債務を支払って行くかを再生計画案を作成して裁判所に提出して裁判所からの実際上の許可を貰います。
個人民事再生申立書では、「家計全体の状況」が大変重要です。その「家計全体の状況」の中で、2万8千円支払っていける余裕があるかどうかを示すことができなければなりません。
その毎月の弁済は、その債務者が継続的に収入を得ることによって、支払っていけるものでなければなりません。別にアルバイトによる収入でもかまいません。
個人民事再生申立には、2種類あります。小規模個人民事再生と給与者個人民事再生です。
小規模個人民事再生は、多数決で決まります。半数、半額の反対がなければ、債務者の再生計画案が裁判所によって認可されます。
半数、半額の反対がある危険がある時、弁済率が2割を切って、金融機関が反対をしそうな場合とか、友人からの借金が多くて反対をされそうな場合には、給与者個人民事再生を使います。これは、多数決で決まるのではなく、裁判所が認可すれば、仮に半数、半額の反対があっても認可されます。ただ、この給与者個人民事再生は少し煩瑣なことと、家族持ちは余り変わりありませんが、独身は弁済割合が高くなります。
第二、手続き
申立してから、弁済開始まで約6ヶ月はかかります。その間は弁済する必要はありません。
- 個人民事再生
申立裁判所から、色々と聞かれる場合がある。 - 開始決定
銀行通帳を新しく作って、一月に支払って行く金額、例えば3ヶ月間2万8千円づつ預金して記帳する。開始決定書と申立人の書いた各債権者の債権額が債権者に送付される。債権者は額について、異議があれば、裁判所に申し出る。これで、債権者数と債権額が決まる。 - 再生計画案送付
債権者に再生計画案を送付し、債権者の反対意見が半数半額を越えなければ再生計画案の認可決定となる。 - 再生計画案認可決定の確定
再生計画案の認可決定が出れば、その旨を債権者に通知して、債権者の振込口座を教えてもらいます。そして、その振込口座を債務者皆さんに知らせます。通常、再生計画案の認可決定が確定した月の次の月の28日から第一回の弁済をするように再生計画案を作っています。
第三、住宅ローン条項付き個人民事再生
- 通常
住宅ローンは、個人民事再生において、特別扱いされています。それで、住宅ローンは従前通り支払い続けることが出来ますが、住宅ローンの最終期限が70歳より前に終了する場合には、70歳まで延長する事ができます。
住宅ローンを継続支払いしている場合には、処理は楽です。通常は、住宅ローンはともかく支払う、そのため、クレジット・サラ金債務が増えてしまったという例が多いのですが、住宅ローンは支払わないで、クレジット・サラ金債務だけ支払っていた(勤め先にクレジット・サラ金会社から連絡が行くと思っていた。)例があり、その場合には大変でした。 - 巻き戻し
住宅ローンを支払わないで、保証会社が住宅ローン会社に保証弁済した場合、その保証弁済から半年間は住宅ローン条項付き個人民事再生の申立てができます。 - 資産分支払
例えば、普通だったら、債務額が100万円から500万円の範囲内で、100万円支払って後は免除という場合に、資産が100万円を超える場合には、資産分、例えば資産が200万円あれば、標準3年間で200万円、一月5万6千円支払わなければならなくなります。
これは、住宅ローンが終わりに近づいて、住宅の資産価格、時価が住宅ローンの残額を超える場合に、生ずることがあります。そのような場合には、住宅ローンの支払いを即ストップしなければなりません。特にボーナス払いが近づいているような場合には即ストップして住宅ローンの残債務が減らないようにして住宅の資産価値が増えないようにしなければなりません。


